この判決は、抗凝固薬であるワーファリンをイグザレルトに切り替えるにあたり、イグザレルトの処方までに時間的間隔を空けたことから、患者が心原性脳梗塞を発症して死亡したため、遺族が損害賠償請求訴訟を提起したという事案です。 最 […]
「裁判例」の記事一覧
労災事故|熱中症の症状を認識した後の措置に過失を認め、雇用主に損害賠償責任を認めた裁判例(大阪高裁平成28年1月21日判決)
前回ご紹介した福岡地裁小倉支部令和6年2月13日は、暑さ指数(WBGT)を測定していなかったことも理由の1つとして、勤務先の企業に安全配慮義務違反による損害賠償責任を認めました。 高温・多湿の環境下で労働者に就労させる場 […]
労災事故|熱中症で死亡した労働者の遺族に4800万円余りの損害賠償を支払うよう勤務先に命じた最近の裁判例の紹介(福岡地方裁判所小倉支部令和6年2月13日判決)
もうすぐ夏になります。夏になると、建設現場や工場などでは、高温、高湿度の状況下で仕事を行うことも多くなり、そうなると、熱中症になる危険性が高まります。熱中症は、命にかかわる危険な疾患です。企業は、労働者の熱中症予防のため […]
離婚|不貞行為の認定:ラブホテルで共に滞在した事実を認定したが、不貞行為を認定しなかった裁判例
不貞行為とは、既婚者が配偶者以外の者と性行為に及ぶことをいいます。不貞行為を行われた他方配偶者は、配偶者の不貞行為の相手方に対して慰謝料を請求することができます。ただ、この場合、不貞行為の事実の主張・立証責任は慰謝料を請 […]
交通事故|重要判決の紹介 最高裁平成15年7月11日判決(絶対的過失割合を認定できる場合の過失相殺の方法)
【事案の概要】 (1) 上告人Yの被用者であるAは,道路上に,普通貨物自動車(以下「Y車」という。)を西側路側帯から北行車線にはみ出るような状態で駐車させ,非常点滅表示灯等を点灯させることもなかった。被上告人X会社の被用 […]
交通事故|重要判決の紹介 最高裁平成13年3月13日判決(交通事故と医療事故が競合した場合の責任)
【事案の概要(原審の認定した事実)】 (1) 上告人らの子Aは、自転車を運転し、一時停止を怠って交差点内に進入したところ、同交差点内に減速することなく進入しようとした上告補助参加人の従業員であるB運転に係る普通乗用自動 […]
医療事故|重要判決の紹介 最高裁平成23年2月25日判決(期待権侵害のみを理由とする不法行為責任を否定)
【事案の概要】 (1) 診療経過等 ア Xは,昭和63年10月29日,左脛骨高原骨折の傷害を負い,Y1病院に入院し,同病院の整形外科医であるY2の執刀により,骨接合術及び骨移植術(以下「本件手術」という。)を受けた […]
医療事故|重要判決の紹介 最高裁平成17年12月8日判決(重大な後遺障害が残らなかった相当程度の可能性を否定)
【事案の概要】 (1)Xは,住居侵入罪で逮捕され,東京拘置所に勾留されていた。東京拘置所の職員は,平成13年4月1日(日曜日,以下,平成13年については月日のみを記載する。)午前7時30分ころ,起床時の点検のために各房を […]
医療事故|重要判決の紹介 最高裁平成16年1月15日判決(生存していた相当程度の可能性を認めて債務不履行責任を認めた)
【事案の概要】 (1) Aは昭和43年生まれの女性であり,Yは開業医である。 (2) Aは,平成11年6月30日,食事中に喉が詰まる感じがし,嘔吐をすることもあるなどの症状を訴えて,Yの診察を受けた。 (3) Yは,同 […]
医療事故|重要判決の紹介 最高裁平成17年9月8日判決(出産時における医師の説明義務違反)
【事案の概要】 (1)Xらは夫婦である。妻X2は,平成5年8月31日,B病院(以下「本件病院」という。)を受診し,出産予定日を平成6年5月1日と診断され,その後も,通院を続けて本件病院の医師である被上告人Y1の診察,検 […]